あきつこどもクリニック

東村山市の 小児科,アレルギー科 あきつこどもクリニック

〒189-0001 東京都東村山市秋津町4-31-16
TEL 042-390-1150
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夜尿症(おねしょ)外来

おねしょについて

こどもは誰でも3歳頃までは毎晩おねしょをしますが、その割合は年齢とともに減少します。しかし、実際には小学校低学年では約10%、高学年でも約5%に まだ夜尿がみられるといわれています。夜尿症の多くは自然軽快していくことが多く、また命に関わる病気でもないことから、以前は自然経過を見守る考えがつ よかったのが現状です。しかし年齢があがるにつれ、『おねしょをしている自分に自信がもてない』『楽しみなはずの宿泊行事が苦痛』といった心理的負担を取り除くため、今では適切な時期に治療をはじめるのが望ましいとされています。
周囲からは「本人がもっと自覚をもってしっかりしないと」「育て方に問題があったのでは?」など的外れな忠告を受けることもあり、本人やご家族の悩みを深刻にしてしまっているケースもよくみかけます。
できれば治したい、治してあげたい、と思っても、恥ずかしいからと相談する機会を持てないまま適切な指導が受けらないでいるご家族に、夜尿症の正しい知識、対処方法を知っていただきたいと思います。

 

受診をする前におうちでできること

1) 夕食は塩分を控え、寝る前3時間はなるべく水分を摂らない

味噌汁やスープは朝食にとりいれ、夜は控えましょう。
カレー・シチュー・鍋物などは、いつもより早く夕食をとれる日のメニューにしてみてください。

2) 夜寝る前には必ず排尿し、夜間は起こさない

夜間は「抗利尿ホルモン」という尿を濃縮するためのホルモンが分泌されるために尿量が減少し、朝までトイレに行かなくてもぐっすり眠れるしくみになっています。
夜間に起こして排尿させていると抗利尿ホルモンの分泌が悪くなるため、結果としておねしょを長引かせる原因となることがあります。急がばまわれ、です。

3) おねしょをしても絶対におこらない

おねしょをしたくてする子は一人もいません。おねしょをした子を叱ったり兄弟と比べたりしても、本人の気持ちが萎縮してしまうばかりでいいことはひとつもありません。
「おねしょは必ず治るからクヨクヨしなくて大丈夫なんだって」とまずは伝えてあげて、おおらかに接してください。
治療が始まったら、「お母さんも頑張るからね」と一緒に頑張る姿勢を見せることがこどものやる気の持続につながります。
 
小学校低学年までは、以上の3つを心がけつつ成長を待っていただいて大丈夫です。
上記を続けていても8歳をこえて夜尿が続く場合は、受診をお勧めしています。

 

おねしょの治療とは?

大きく分けて薬物療法とアラーム療法があります。

1) 薬物療法

①抗利尿ホルモン(尿を濃縮して夜間の尿量を少なくする薬)
②抗コリン薬(膀胱機能を安定させ、尿をためやすくする薬)
③抗うつ薬(抗利尿ホルモンの分泌を促し、抗コリン作用も少し持つ薬)
→問診、夜尿記録、尿検査などから、お子さんの夜尿のタイプに適した薬を選択することになります。それぞれ副作用の可能性がありますので、それを十分説明した後に本人、親御さんの希望に沿った薬を選びます。
 
2) アラーム療法
当院では現在、音量が大きくバイブ機能もついているコードなしの「ピスコール」という機種をお勧めしています。
おねしょをするとアラーム音が鳴るパットをつけて寝ます。
おねしょをするとアラームが鳴るのですぐにおこします。
睡眠中に排尿が始まったときに排尿をストップさせる訓練を繰り返すことで、膀胱容量が増えて夜尿症が治っていきます。
必ず親御さんが起こさなければならないので親御さんが寝不足になってしまうことが欠点ですが、全く薬を使わないので副作用の心配がありません。
保険適応がないためアラーム本体やパットを自費で購入していただくのですが、当院では本体の貸し出し機を数台用意しており、できる限り対応させていただいています。
 
 ピスコール

 
夜尿症の治療に特効薬はありません。
高学年になって宿泊行事があるからといって直前に来ていただいても、そんなに早くは治せません。
また、薬物療法、アラーム療法ともに根気がいる治療法であり、本人に治す気がなければ治療効果がありません。
当院では、8歳までは基本的には生活指導のみで経過観察し、8歳をむかえても治癒する傾向がみられず本人が治したいと強く希望している場合にのみ治療を行います。
場合によっては数年かかる場合もありますが、夜尿症は必ず治ります。
まずは受付Tel:042-390-1150までお電話ください。